大友征宇 教授 (Dr Z.-Y. Wang-Otomo)

    Email: otomo@mx.ibaraki.ac.jp

専門分野:生物物理化学、構造生物学、光生物学、分子生物学

略歴
1986年(S61) 東北大学工学研究科博士前期課程修了
1989年(H1) 東北大学工学研究科博士後期課程期間満了
1990年(H2) 東北大学工学研究科助手(工学博士)
1991年(H3) オーストラリア国立大学 化学研究所 博士研究員(理論物理化学)
1993年(H5) 東北大学工学研究科講師(生物工学専攻)
1995年(H7) 東北大学工学研究科助教授(生物工学専攻)
2005年(H17) 茨城大学理学部教授(生物物理化学)

主要学術業績

 これまで、一貫して様々な側面から光生物の生体エネルギー伝達と変換を司る色素・膜タンパク質の構造解析と機能解明に努めてきた。溶液と固体高分解能核磁気共鳴(NMR)に加え、各種散乱法(小角X線・中性子、動的光散乱)を駆使して、原子レベルからサブミクロンオーダーにわたる色素会合体と色素膜タンパク質複合体の構造を明らかにしてきた。その中で特に、緑色光合成細菌の光捕集器官クロロゾームについて、それを構成するバクテリオクロロフィルcが非常に安定な二量体を形成することを突き止め、その会合構造をNMRによって決定した。その後、紅色光合成細菌由来の膜内アンテナLH1について、選択的標識により、色素膜タンパク質複合体の中から色素のみに由来する高分解能NMRシグナルの観測にも成功した。これと平行して、構造解析で得られた情報に基づいて、種々の分光学的手法(吸収、蛍光、CD、磁気円偏光二色性)を活用して、色素の配置と光エネルギー伝達・変換との関係を明らかにしてきた。一方、放射性同位体のかわりに、高分解能NMRを用いる新規な二酸化炭素固定反応のリアルタイム計測法を開発し、さらにその固定酵素Rubiscoのフォルディング過程の追跡を達成した。

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